·鈴木 悠人(株式会社AI Development)

AI研究者のAI活用術|ChatGPT・Claude・Cursorを使い分ける実践ワークフロー

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私が米国コロラド大学の博士課程でAI・LLMを研究をしている中で実際に使っている、生成AIの使い分けAIワークフローを紹介します。日々新しいAIツールが出てきているので使うツールは変わる可能性が高いですが、2026年7月の最新版として参考になれば幸いです。

私はAIを「思考」「実装」「確認」の3段階に分けて使っています。

私のAI活用を支える「3段階のOS」

AI研究者の実践ワークフロー(入力層・思考・実装・確認のループとMeeting Ninja)

私のAI活用を支える「3段階のOS」は、次の流れです。

  1. 思考する: アイデアを出し、調査し、方針を決める
  2. 実装する: コード・資料・図など、成果物に落とす
  3. 確認する: 人間がレビューし、必要なら思考へ戻る

この3段階のワークフローが中心で、個々のツールはその中で役割を持つ部品です。覚えるべきなのはブランド名の一覧ではなく、どの段階で何をAIに任せ、どこで自分が判断するかです。

入力はほぼすべて音声です。私はAqua Voiceを使い、キーボードをほとんど叩かずにコンピュータへ話しかけて文章を入れます。Aqua Voiceは「思考ツール」ではなく、思考・実装・確認のすべてにまたがる入力層です。

思考する

思考の段階では、主にChatGPTClaudeを使います。アイデア出し、論点の整理、オンライン調査のたたき台づくりです。

ChatGPTとClaudeの使い分け

同じテーマでも、モデルによって発想の方向がかなり違います。研究でも感じることですが、片方は網羅的で、もう片方は鋭い仮説を出す、といった差が出ることがあります。だから私は、重要な論点では同じプロンプトを複数モデルへ投げることがあります。

比較の目的は「どちらが正解か」を決めることだけではありません。片方の抜け漏れを、もう片方の出力で補うことです。AI研究者のAI活用でも、単一モデルへの依存は避けた方が安全だと感じています。

スライドの初稿づくりでは、同じプロンプトをChatGPT・Claude・Geminiに投げ、良いものを選ぶこともあります。最終的に残るのはChatGPTかClaudeが多いですが、Geminiが勝つケースもあるため、候補から外していません。

調査でもクロスチェックする

「何か知りたい」ときも、主にChatGPTとClaudeを使い、内容を突き合わせます。片方だけを信じるのではなく、主張の根拠や出典候補を確認し、必要なら一次情報へ当たります。思考の段階で精度を上げておくほど、後の実装と確認が楽になります。

実装する

方針が見えたら、成果物に落とします。ここで大切なのは、初稿を生成すること最終品質にすることを分けて考えることです。AIは前者を速くします。後者は、まだ人間の側に残っています。

Cursorを使ったコーディング

コーディングはCursorを中心に使います。Claude Codeも試していますが、現時点では私の利用量ではコストを管理しやすいCursorを中心に使っています。

Cursorでは、いきなり大量のコードを書かせるより、計画を丁寧に立て、差分を見ながら実装とレビューを繰り返す使い方が多いです。AIに任せたあとでも、設計意図どおりか、境界条件は足りているか、自分の目で見ます。

資料と図を作る

スライドは、思考の段階と同様に複数モデルへ同じ依頼をし、良い骨格を選びます。図やイラストは、Claude+Figmaで作成しています。

ここで注意しているのは、「見た目が整っている」ことと「論理が通っている」ことを混同しないことです。きれいな図やスライドは、確認の段階で必ず論点に戻して見直します。

会議から学ぶ

会議の録画・要約・振り返りは、Meeting Ninjaを使っています。Meeting Ninjaは私自身が開発・運営しているサービスです。

3段階のワークフローとは別に、会議データには専用の流れがあります。

  • 会議を記録する
  • 議論を要約する
  • 商談であれば論点や次のアクションを整理する
  • 蓄積した会議から、次の思考と改善につなげる

会議は、思考の材料を増やすための入力でもあります。一度きりの議事録作成で終わらせず、振り返りを次の意思決定に戻すのが目的です。人材企業の商談前後の実践や、商談録画データの二次利用については、人材企業の営業がAIを活用する方法商談録画データの活用方法でも整理しています。

確認する

確認は、私のAI活用フローでいちばん重要です。AIに1回で答えを求めません。

典型的な進め方は次のとおりです。

  1. プロンプトを投げる
  2. 出力を自分の目で読む
  3. 誤りや曖昧さを指摘する
  4. 直して再生成する
  5. 必要なら別モデルでも確認する

事実関係は、出典や一次情報を確認します。戦略判断や顧客向けの表現は、組織の文脈を理解している人間が最終判断します。コード、スライド、研究メモ、対外文書のいずれも、最終レビューは自分の仕事です。

「AIに作らせた」こと自体は価値になりません。AIの出力を、自分の基準で通したかどうかが価値になります。

また、別のモデルにレビューさせることも有効です。例えば、ChatGPTのアウトプットをClaudeでレビューして改善することは有効です。人間でも自分で作ったものを自分でレビューするのは難しいように、事前情報のない別のモデルの方が新しい視点でのレビューが得られることが多いです。

AIがまだ苦手なこと

便利だからこそ、苦手なところを先に書いた方が信頼できると思います。私の実務で繰り返し出会うのは、次のようなパターンです。

  • もっともらしいが誤った引用: 論文やURLらしい文字列を自信満々に出すことがある
  • 見た目は良いが論理が弱いスライド: レイアウトは整っていても、主張の順番や根拠が薄い
  • 動くが意図と違うコード: テストを通っても、設計の意図や境界条件を外していることがある
  • 組織文脈を知らない自信のある助言: 一般論としては正しくても、自社の制約や顧客事情を踏まえていない

だから私は、AIの出力を「下書き」として扱い、「完成品」としては扱いません。確認の段階を省略すると、速さの代わりに信頼を失います。

ツールを固定しすぎないための運用ルール

AIツールの活用方法で、私が意識している運用ルールは次のとおりです。

  • 月額契約を基本にする: モデルの性能や得意分野は短期間でも変わるため、私は年額契約より月額契約を選ぶことが多いです
  • 汎用モデルは少なくとも2つ持つ: 設計や資料づくりでは、比較できる相手がいた方が精度と発想の幅が上がります
  • 役割が重複するツールは整理する: 同じことができるサービスが増えたら、フロー上の必要性で残すか決めます
  • 定期的にスタックを見直す: 新しいモデルが出たら、既存の使い方と比較し、必要なら入れ替えます
  • 最適化するのはツール数ではなくワークフロー: 道具を増やすより、思考・実装・確認の質を上げる方が効果があります

「今いちばん強いツールはどれか」より、「自分の仕事の進め方に合う役割分担は何か」を見直す方が、長く使えます。

まとめ

覚えるべきなのはツール名ではなく、「思考・実装・確認」という使い分けです。

  • 思考: ChatGPTとClaudeを比較しながらアイデアと調査を進める
  • 実装: Cursorでコードを書き、ClaudeとFigmaで図を整え、複数モデルで資料の初稿を作る
  • 確認: 人間がレビューし、必要なら思考へ戻る
  • 会議: Meeting Ninjaで記録し、振り返りを次の思考へつなぐ

ツールは変わります。それでも、入力を速くし、複数の視点で考え、成果物に落とし、人間が確認する、という基本構造は残るはずです。

会議の録画・要約から振り返りまでを整えたい方は、Meeting Ninjaもご覧ください。導入のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。